次女が生まれたあと。
すぐに治療を始めることもできたと思う。
でも、先生たちは私たちに少し時間をくれた。
これからどんな治療をするのか。
どこまで治療をするのか。
夫と私で、これからのことを話す時間。
そして何より、
生まれたばかりの次女と、
家族3人で過ごす時間。
私たちは、3人で過ごせる部屋へ移動した。
次女には酸素マスクが当てられていた。
小さな身体。
一生懸命に呼吸している。
次女の状態は遠隔で確認できるようになっていた。
「何かあったらすぐに来ますね」
そう助産師さんに言ってもらった。
だから私たちは、
次女のそばにいた。
夫と私と、次女。
3人。
ずっとお腹の中にいた次女が、
今は目の前にいる。
小さな手。
小さな身体。
ちゃんと、生まれてきてくれた。
夫と顔を見合わせながら、
これからのことを話した。
治療をどうするのか。
どこまで頑張ってもらうのか。
何が次女にとって一番いいのか。
何が私たち家族にとって一番いいのか。
生まれたばかりなのに、
私たちはもう、そんなことを考えなくてはいけなかった。
でも、その間も私は次女を見ていた。
やっと会えたんだ。
ずっとお腹の中で一緒だったのに、
こうして顔を見られるのは初めて。
嬉しかった。
ただ、呼吸はやっぱり苦しそうだった。
時間が経つにつれて、
このままずっと一緒にいられるわけではないことも分かっていた。
そして、とうとう約束の時間になりNICUの先生たちが来た。
次女をNICUへ送り出す時間だった。
私は次女を見ながら、
「ごめんね」
と思った。
「今まで苦しかったよね」
お腹の中にいるときも。
生まれてからも。
ずっと頑張っていたんだよね。
それなのに私は、
何もしてあげられないような気がした。
次女をのせたベッドがNICUの先生に押されて部屋の外へ。
その姿が見えなくなった、
その瞬間、
「ああ、本当に離れてしまうんだ」
と思い、涙が止まらなくなった。
声を出して泣いた。
さっきまで、
3人で同じ部屋にいたのに。
私たちは、また離れ離れになる。
夫と私。
そして、次女。
生まれてからほんの数時間。
短い時間だった。
でも私にとっては、
忘れられない時間になった。
次女が生まれて、
私たちは確かに家族だけの時間を過ごした。
その時間だけは、
誰にも奪えない。
私たち家族の、
最初の時間だった。
※この記事は個人の体験をもとに書いています。
医療上の判断については、必ず主治医・医療機関にご相談ください。



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