病院に着いたときは、
「まだまだ痛みが弱いし、時間がかかるのかな」
そう思っていた。
子宮口は3センチ。
先生からも、できれば担当医がいる昼間に産めたらいいと言われていた。
だから私は、
このままゆっくり陣痛が進んで、
朝になってから生まれるのかなと思っていた。
夜中の0時頃。
長女を実家に預けた夫が、
立ち会いのために来てくれた。
陣痛は少しずつ強くなっていたけれど、
まだ夫と話ができるくらいだった。
「痛い?」
「うん、痛いけど……まだ大丈夫」
そんな感じだったと思う。
ところが、日付が変わった0時45分頃。
助産師さんが、
「静かに進んでいるって事もあるからね」
と診察してくれた。
そして、少し驚いたような表情をした。
「えっ……7〜8センチ開いてますよ!」
え?
さっき3センチだったのに?
自分ではそこまで急激に変わった感覚がなかった。
静かに、静かに。
でも確実に、お産は進んでいた。
そして午前1時頃。
私は分娩台へ移動することになった。
そして診察。
「もう全開です」
また驚いた。
え?
もう?
自分では、そんなに進んでいるとは思っていなかった。
産婦人科の先生から、
「本当に痛くないんですか?」
と聞かれた。
もちろん痛い。
でも、まだ全然耐えられる。
そこから少しずつ陣痛が強くなっていった。
私は、しっかり呼吸することだけを考えていた。
夫が手を握ってくれていた。
ぎゅっと握り返す。
お腹も痛い。
腰も痛い。
さっきまでとは、明らかに違う。
それでも、
「もうすぐ赤ちゃんに会える」
という気持ちが、どこかにあった。
先生から、
「破水したら、そこから数分で生まれる可能性があります」
と言われた。
だから、赤ちゃんを受け入れるためのNICUの先生が来るのを待つことになった。
私は分娩台の上で、
ただ呼吸を繰り返していた。
午前1時半頃。
NICUの先生が到着した。
分娩室には、
産婦人科の先生が3人。
NICUの先生が2人
そして助産師さんが5人くらい。
気づけば、私の周りにはたくさんの医療者がいた。
これから生まれてくる赤ちゃんのために、
たくさんの人が準備をしてくれていた。
その光景を見て、
「ああ、本当にもうすぐなんだ」
と、少しずつ実感していった。
周りには、たくさんの人。
夫の手。
強くなっていく陣痛。
そして、もうすぐ会えるはずの赤ちゃん。
いよいよだった。
ここまで、お腹の中で頑張ってきた赤ちゃん。
もうすぐ、
私たちの目の前に出てくる。
※この記事は個人の体験をもとに書いています。
医療上の判断については、必ず主治医・医療機関にご相談ください。



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