年が明けた。
そして、中絶できる期限が過ぎました。
もう未来は選べない。
そう思いました。
まだ、赤ちゃんのことは何も分かっていません。
脳室が大きい。
それだけ。
それが、この先どんな意味を持つのか。
どんな障害につながるのか。
それとも、何もないのか。
私はまだ何も知らない。
でも、もう期限だけは過ぎてしまった。
あの日からずっと、
「早く大学病院で診てもらいたい」
そう思っていました。
でも、受診日は1月9日。
その日まで、私は待つしかありませんでした。
私は家族と一緒に帰省しました。
本当なら、いつもと同じように過ごすはずのお正月。
家族と話して、笑って、ご飯を食べて。
でも私の頭の中は、ずっと赤ちゃんのことばかりでした。
「脳室が大きいって言われた」
「この先どうなるんだろう」
「もし障害があったら?」
「もう中絶の期限は過ぎた」
そんなことを考えながら、それでも私は何もなかったように過ごしていました。
家族には、できるだけ悟られないようにしていました。
笑って。
普通に話して。
普通のお正月を過ごしているふりをして。
でも心の中では、ずっと不安でした。
私は、この子を産むことになるのかもしれない。
でも、本当にそれでいいの?
もし重い障害があったら?
私たちに育てられる?
長女はどうなる?
家族の生活はどうなる?
いろんなことが頭の中をぐるぐる回っていました。
それでも、お腹の中にいる赤ちゃんは、何も知らずに動いている。
私は胎動を感じながら、
「大丈夫」
と心の中で声をかけていたと思います。
でも、その言葉は赤ちゃんに向けたものだったのか。
自分自身に向けたものだったのか。
今となっては分かりません。
そして私は、何も答えが出ないまま、帰省先でお正月を過ごしました。
誰にも言えない不安を抱えたまま。
笑顔の裏側で、ずっと泣きそうになりながら。
そして、数日後。
ようやく、大学病院を受診する日がやってきます。
この日、私は初めて、
「この子の脳には、何が起きているのか」
その答えを聞くことになります。
※この記事は個人の体験をもとに書いています。
医療上の判断については、必ず主治医・医療機関にご相談ください。



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