ついに、大学病院を受診する日が来ました。
この日は、家族みんなで病院へ向かいました。
私の中には、まだ小さな期待が残っていました。
「何もありませんでした」
そう言ってもらえるんじゃないか。
ここまでいろいろなことを言われてきたけれど、
大学病院で診てもらえば、きっと分かる。
もしかしたら、今までのことが全部大丈夫だったと分かるかもしれない。
そんなことを、どこかで期待していました。
診てくださったのは、
とても優しい、ご年配の教授の先生でした。
まず先生は、
「脳室拡大とはどういうものなのか」
というところから説明してくれました。
本を開いて、
脳の中にある脳室という場所について。
そこが広くなると、どんなことが考えられるのか。
どんな病気の可能性があるのか。
図を見ながら、一つずつ説明してくれました。
その中には、
サイトメガロウイルス、染色体異常という言葉がありました。
でも、このときの私は、
その言葉を特別に気に留めることもなく、
ただ先生の説明を聞いていました。
今までインターネットで必死に調べていたことを、
先生が目の前で説明してくれている。
やっと、ちゃんと話を聞ける。
そう思いました。
でも同時に、
怖かった。
ここまで説明を聞いても、
私はまだ、
「でも、何もありませんでしたって言われるかもしれない」
そう思っていました。
そして、エコーが始まりました。
先生が画面を見ながら、
赤ちゃんの頭を確認していきます。
私は画面を見つめながら、
先生の言葉を待っていました。
すると、
先生は淡々と、
赤ちゃんの状態を話し始めました。
脳室のこと。
頭の中のこと。
一つひとつ、
症状を確認するように言葉にしていきます。
私は必死に聞いていました。
でも、
だんだん頭に入ってこなくなりました。
聞こえているのに、
理解できない。
先生の声は聞こえている。
旦那も隣にいる。
赤ちゃんは、お腹の中にいる。
なのに、
頭の中だけが真っ白になっていきました。
私はただ、
先生の言葉を聞くことしかできませんでした。
そして、このとき。
「何もありませんでした」
という言葉を、
私はまだ心のどこかで待っていたのだと思います。
※この記事は個人の体験をもとに書いています。
医療上の判断については、必ず主治医・医療機関にご相談ください。



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